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コラム 2026.05.28

価格上昇時代の家づくり

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2026年2月、米国・イスラエルによるイラン攻撃を端緒に中東情勢が急激に緊迫化し、世界の原油供給の約2割が通過するホルムズ海峡が事実上の封鎖状態に陥りました。日本は原油輸入の約9割を中東に依存しており、その影響は即座に私たちの業界にも波及しています。断熱材・塗料・塩ビ管・接着剤など住宅建材の基礎原料となるナフサの供給が激減し、メーカー各社から相次ぐ値上げ・受注停止のアナウンスが届いています。いわば「令和のオイルショック」とも呼ぶべき事態が、住宅価格を直撃しているのです。


しかし私は思うのです。「価格が上がるから仕方ない」と諦めるのではなく、その流れに対して私たちができることを、真剣に考え抜かなければならないと。

価格上昇の波に、正面から向き合う


 ホルムズ海峡が開通したとしても、イランのエネルギー施設の復旧には3〜5年かかるとも言われており、供給不足は長期化が避けられません。さらにナフサを原料とする化学品の減産が続く中、今後も資材メーカーからの追加値上げ通知が相次ぐことは確実な状況です。このまま手をこまねいていれば、住宅価格はさらに高騰し、マイホームの夢が遠のいてしまう方が増えてしまいます。


 私たちが目指すのは、この価格上昇の流れに対し「知恵と仕組みで抗う」こと。そのために生まれたのが、私たちの新しい規格住宅プランです。

30坪以下の規格住宅という答え


 私たちが提案するのは、30坪以下の規格住宅です。「規格住宅=安かろう悪かろう」という誤解を、まず払拭したいと思います。私たちの規格住宅は、性能面において一切の妥協をしていません。


■ 耐震等級3(許容応力度計算による精密な構造計算)
■ 断熱性能等級6という高断熱・省エネ基準
■ 構造計算による無駄のない合理的な構造設計


 耐震等級3は、単なる壁量計算ではなく許容応力度計算によって算出します。建物にかかる力を精密に分析し、必要な箇所に必要な強度を確保することで、過不足のない合理的な構造を実現します。これは「削れるところは削る」ではなく「必要なものを的確に配置する」という設計思想です。

コストダウンは「品質を落とす」ことではない


 では、どうやってコストを抑えるのか。答えはシンプルです。「業務プロセスの省力化」と「無駄の排除」です。


 通常の注文住宅では、間取りの検討から仕様決め、設備の打ち合わせまで、担当者が何度も足を運び、膨大な時間と人件費が発生します。規格住宅であれば、あらかじめ高品質な仕様が整理されているため、こうした打ち合わせの工数を大幅に削減できます。浮いたコストは、そのままお客さまへの価格還元へ。


 さらに、構造計算によって建材の使用量を最適化することで、材料費の無駄も排除します。「量で稼ぐ」のではなく「頭で考え、仕組みで勝つ」という発想のもと、高品質と低価格を両立させています。

家を建てる人の「選択肢」を守りたい


 この規格住宅を企画した根本にあるのは、「家を建てたいと思った方が、適正な価格で高性能な家を手にできる社会をつくりたい」という思いです。価格が上がり続ける中で、妥協して性能を諦めるか、予算を大幅に超えるか――そんな二択を迫られる時代に、第三の道を提示したいのです。


 30坪以下というコンパクトなサイズも、一つの知恵です。必要な空間を丁寧に設計することで、暮らしやすさは十分に確保できます。大きな家が豊かなのではなく、性能が高く、暮らしに合った家こそが豊かなのだと、私は信じています。


野口


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